アフィリエイト成果(コンバージョン)のトラッキングの仕組みはどのようになっているのか?
コンバージョンをトラッキングする方法は様々ありますが、私が知っている限りの情報をまとめました。
以下のような方々に、何か少しでも役に立てば幸いです。
・広告主として広告を出稿しようとしている人
・アフィリエイターとして広告を掲載しようとしている人
・アフィリエイトのシステムを自分で作ろうとしている人
ただ、ある程度の専門用語を知っている事が前提となっていますので、もし途中でわからない単語があったら、それぞれ検索して調べてみてください。
コンバージョン(成果)発生までの流れ
コンバージョン発生までの流れは、簡単にまとめると、次のようになります。
1 アフィリエイト広告がクリックされる
2 広告主のサイトや商品ページ、購入ページが表示される(※1)
3 商品の購入、申し込み完了ページが表示される(※2)
4 コンバージョンが発生する(※3)
※1 ランディングページと呼ばれることが多い
※2 サンクスページと呼ばれることが多い
※3 コンバージョンポイントと呼ばれることが多い
アフィリエイトシステム側でコンバージョンを発生させる為には、「広告経由で売れたこと」を何らかの方法で知る必要があり、まず、「アフィリエイト広告を経由した」という情報を得る必要があります。
アフィリエイト広告を経由したことを判定するタイミングは大きく分けて2つ。
・広告がクリックされた時
・広告主のページが表示された時
広告がクリックされた時、広告主のページが表示された時、いずれかのタイミングでユーザの情報を取得し、システムはデータベースにその情報を記録・保存します。
広告がクリックされた時に情報を取得(クリック判定タイプ)
このタイプが最も多く、広告がクリックされた時にアフィリエイトシステムを経由してから、広告主のサイトに着地します。
広告のURL、広告バナーリンクに含まれるURLが、広告主のサイトのURLではなくアフィリエイトシステムのURL(出稿先のシステムのURL)である事が多く、そのURLには「どのアフィリエイターなのか」や「どの広告なのか」の情報を得るためのパラメータが付いています。
このリンクに付いているパラメータは重要な役割を果たすものなので、アフィリエイターとして広告を掲載する時に、不用意に掲載用コードを書き換えると、「得られるはずだった報酬が得られなくなる可能性が高い」ので注意が必要です。
一部、広告主のサイトのURLが表示されるタイプもありますが、その場合でもJavascriptなどで制御・判定されている場合が多く、実際に広告をクリックした際には、アフィリエイトシステムを経由してから広告主のサイトに着地します。
広告主のページが表示された時に情報を取得(埋め込み判定タイプ)
広告主のページが表示された時に情報を取得するタイプもあり、このタイプでは広告の出稿と同時に、広告主は自身のサイトにコードを埋め込む必要があります。サイトに埋め込まれたコードによって、「どのページから来たのか」と合わせてユーザ情報を取得します。
サイトにコードを埋め込む手間はありますが、メリットもあります。
そのメリットとは、ページが表示された時に情報を取得するシステムの場合、アフィリエイターがサイトに掲載するバナーのURLは広告主のサイトへの直リンクになる事が多いため、販促しながら被リンクも集めることもできるということです。
アフィリエイトシステム側では、直前にどのサイトを見ていたかの情報(リンク元ページ)を合わせて記録しようとするため、ほとんどの場合、どのアフィリエイター(サイト)と提携するかを選ぶ必要も出てくるでしょう。
ただ、実際には正しいリンク元を取得できない事も多いので、埋め込み判定タイプは単体で利用されることは滅多にないと思います。クリック判定タイプとセットで、情報の正確性を確保する為に利用されることがたまにある程度でしょうか。
商品の購入、申し込み完了ページで情報を取得
クリック判定タイプ、埋込み判定タイプのいずれか、もしくはその両方でユーザ情報を取得するだけでは、広告主のサイトで購入や申し込みが行われた事を知る術がありません。
そこで、購入や申し込みの完了時に表示されるページ(サンキューページやサンクスページと呼ばれる事の多いページ)に、広告主はトラッキングコードを埋め込む必要があります。
広告主により埋め込まれたトラッキングコードが呼び出された時、アフィリエイトシステム側では、それまでに取得・保存しておいたユーザ情報と照合し、それが特定のアフィリエイターの成果であると計上します。
基本的に、このコードが正しく埋め込まれていないとコンバージョンとして正しく計上されません。
中には、正しく計上されない事を悪用して、一度は埋め込んだコードを故意に取り外して、広告からの成果が上がってないように見せることで、アフィリエイトサービスプロバイダに支払う手数料を減らそうとする広告主が現れる事もあります。しかし、サービス提供側としては、非常によくあるケースなので必ず何らかの対策が用意されています。
システムでコンバージョンをトラッキングする様々な方法
アフィリエイトシステム側で、そのユーザ(成約に至ったユーザ)がアフィリエイト広告を経由していた事を知る方法は様々で、それらの方法が単体で利用されることも、いくつか組み合わせて利用されることもあります。
ブラウザのCookieを用いたトラッキング方法
ブラウザのCookieを用いたトラッキングは今でも主流です。
広告を経由したタイミング(広告をクリックしたタイミング)で、ユーザーにCookieを発行しておき、ユーザーがサンキューページに辿り着いた時に、そのCookieを持っていれば広告を経由していたと判別する方法です。
ユーザーがブラウザのCookieを削除するか、ブラウザ自体を変えてしまっている場合はトラッキングできませんが、多くのユーザは故意に削除する、故意にブラウザを変えるということはあまり無いので、この方法は広く利用されています。
IPを用いたトラッキング方法
ユーザのIPを判定に用いる方法もあります。
しかし、ユーザーのIPが変わってしまう可能性や、共有されたIPを使用している場合などもあり、IPのみで判定される事は少ないと言えます。
そのため、IPを判定に用いる場合は、ブラウザから得られるその他の情報とセットで照合することになります。
IPのみを判定に用いる場合でも、再訪問期間を短く設定したり、広告主側で成果を承認制とするなどの方法を組み合わせれば、シンプルで有用な方法となります。
FLASHを用いたトラッキング方法
ブラウザのCookieではなく、Flashクッキー(Shared Object)と呼ばれる物を用いる方法です。
ブラウザのCookieの存在は知っていても、Flashクッキーの存在は知らない人も多く、故意に削除することが難しいという点もメリットになります。いくら普及率の高いFlashプレイヤーとはいえ、これに頼るシステムは多くありません。
URLスキームを用いたトラッキング方法
iPhoneアプリのダウンロード(インストール)をトラッキングするシーンでは、URLスキームが利用されます。広告をクリックしたユーザがアプリをインストールしたという情報を元にコンバージョンを計測する方法です。
URLパラメータを用いたトラッキング方法
アフィリエイトシステムは、アフィリエイト広告のクリック後に着地するページ(広告主のページ)のURLに任意のパラメータに値を付与し、広告主のページでは、そのパラメータの値を何らかの方法で受け取り、アクセスしてきたユーザーに紐付けて保持します。
その後、広告主のページでサンキューページを表示するタイミングで、ユーザーに紐付いている任意の値を、アフィリエイトシステム側に送り返します(※1)
そして、広告主のページから送り返されてきた値を、アフィリエイトシステム側で解析し照合することで、コンバージョンを計測する方法です。
※1 キックバック送信と呼ばれることが多い
ただし、この方法は、広告主側に高い技術力を要求することになり、導入ハードルがあがるというデメリットがあります。そのため、この方法は単独で用いられることは少なく、どちらかと言うとトラッキングの精度を上げるための補助的な役割を果たすことが多いようです。
ユーザーへのポイント還元(購入特典)の仕組みに使用される
URLパラメータを用いたトラッキング方法は、通常時のトラッキングの精度を上げるためだけでなく、別の場面でも活用されます。それは、自己アフィリエイトの判別や、購入特典の付与といったものです。
アフィリエイター自身が商品を買った時も報酬やポイントを貰える広告の場合、特定のアフィリエイターから紹介されて商品を買った時のみオリジナル特典が貰える広告の場合、この2つのケースではアフィリエイターに対して確実にコンバージョンを発生させなければなりません。
このような場合、広告主のページでユーザとパラメータの保持を強制するURLパラメータを用いたトラッキング方法は、非常に有効な手段になります。
この記事は、まとまりきっていないので、ちょこちょこ修正する予定です。