衣食足りて礼節を忘れると、仕事はうまくいかない
毎朝、出勤しても挨拶の一つもせず、黙って自分の席に座って仕事を始める社員。勤務時間中は黙々と作業をこなし、時間きっちりに休憩をとり、残りの作業をこなしては黙って定時で帰っていく。
仕事を進めるうえで必要に迫られた時だけ、最低限の会話をするだけで、楽しそうに世間話をするようなこともない。
家に帰ればご飯を食べて、テレビや雑誌を見るか、ゲームやネットをして、疲れたらお風呂に入って寝るだけ。
そんな毎日を過ごしていて何が楽しいのか。
そんな人生を本当に望んでいるのか。
毎日がつまらないことの繰り返しで、そんな生活がいつまでも続くというように錯覚しているかもしれないけれど、人生には終わりがある。
お金はそこそこあるけど、夢はない、欲もない。
夢も欲もないのでは、本当につまらない人生で終わってしまう。
これは、つまらない人生だったと死の直前に後悔しないためのヒント。
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仕事でたいせつなことは、すべて幼い時に学んでいる
この本の著者である、佐々木常夫さんは「仕事をするうえでもっとも重要なことは何だと思いますか?」と問いかけています。
重要なのは、与えられた仕事をスピーディーにミスなくこなすことでしょうか?
重要なのは、与える仕事の用件を完璧に伝えて指示することでしょうか?
重要なのは、売り上げを維持できるだけの人間を囲っておくことでしょうか?
確かにそれも一理あります。
仕事をするうえでもっとも重要なことは何だと思いますか?
それは、人として守らなければならない基本的なことをきちんとやることです。
「人に会ったら挨拶しなさい」
「何かをしてもらったらお礼を言いなさい」
「仲間はずれをしてはいけません」
「嘘をついてはいけません」
「間違ったことをしたら、勇気をもってごめんなさいと言いなさい」ところが、これをきちんとできる社会人は、実はあまりいません。
だから、仕事がうまくいかないのです。
もっとも重要なことは、効率よく仕事をするノウハウではなく、人として守らなければならない基本的なこと。
あなたが部下であっても上司であっても、はたまた社長であっても、
この基本的なことができないようでは、質のいい仕事というものはできないということです。
仕事はひとりでするものではありません。
常に誰かと共同で行うものです。
ところが、当たり前の礼儀を怠るがために、
相手が気分を害して、つまらないことでトラブルになります。その結果、余計な仕事を増やす。
ムダな時間を費やし、しかも、仕事の質も悪くなる。
何もいいことはありません。
仕事に関するノウハウや効率化を考えるよりも前に
誰にでも元気よく挨拶し、ちゃんとお礼を言う。
互いの意見を尊重しあい、嘘はつかず、間違いは認め心からあやまる。
もちろん仕事だけに限らず、人生においてこれは非常に大切なことです。
ノウハウに頼ったり、効率化を考えるよりも前に、何よりもまずそこからスタートしたいものです。